七転び八起きズ

映画と写真とゲームと

視点は一人称

ファーザー観ました。

まとまりのない感想ですが、ちょっとだけ考察も交えて書きたいと思います。

あとネタバレしてます。

 

認知症をテーマにしたヒューマンドラマです。

内容はやや重め…後味スッキリみたいな映画ではないです。

でも、一度は観てほしいと推せる作品だと思っています。

 

忘れられないほど印象に残ってるのは、クライマックスのシーン。

主人公のアンソニーアンソニー・ホプキンス)が施設に入り、

介護人とのやり取りの中で母親の話をし始めます。

最初は「My mother」と言っていたのに、しばらくすると「My mommy」にかわり

子供返りして「ママを呼んで」と泣きじゃくりはじめます。

家に帰りたいと懇願する中、突如老人である本来の自分に戻り涙ながらに言います。

「すべての葉を失っていくようだ」と…続けて

「何がなんだかわからない」「身を横たえる場所さえわからない」

と、自分に起きている状況(認知症)を理解できず苦しむ気持ちを吐露します。

そしてずっと大事につけていた腕時計を指して、

「腕時計が手首にあることを分かってる、旅に備えて…」

「そうでないと…見失ってしまう」

「心構えができているかどうか…」

と、介護人の手をとり身をあずけるように再び涙を流し始め

憂いを残したまま暗い室内から明るい窓の外の風景にフェードアウトしていきます…

 

ここで出てくる「すべての葉」は記憶のことで、

少しずつわからなくなっている自分の状態を例えた?ように思えました。

そして腕時計は彼にとって唯一の導であり、この腕時計を常に身につけておくことで

時折訳がわからなくなっても自分を保ててるってことなのかな…と。

ラストでのアンソニーは、幼い子供のように小さく見えてとても切なかった。

 

序盤からミステリー映画のような、疑似体験とも呼べるような話の進み方で

最初はどう解釈していいかわからず少し戸惑いました。

さらに途中から娘であるアンの父親に対する想いや葛藤、

次々出てくる人物がアンソニーの視点でどう見えているのかがわかって

まるでドキュメンタリーを観ているような気持ちになりました。

この映画で認知症とは何か、改めて考えさせられたように思います。

近年にない、心に刺さった大作と呼べる作品です。

 

本作品で羊たちの沈黙以来、約30年ぶりのアカデミー賞主演男優賞を受賞。

本当にアンソニー・ホプキンスはすごい俳優です。

彼は現在84歳。

高齢であることは心配だけど、まだまだ現役でいてほしいです。

 

余韻が残ってて、他の作品も観たくなるけど我慢。

昨日は仕事そっちのけてファーザー観てしまったので…

今もお昼ご飯休憩中にblog書いてるし…後5分で休憩終わる(汗)

昨日下書きしたのに、3回も書き直して1時間潰してしまいました。

ということで、溜まってる仕事やっつけてきますZzz

 

 

 

ピグパグ